京大iPS財団、本格始動 山中教授「臨床応用の推進に貢献する」


「京都大学iPS細胞研究財団」(代表理事・山中伸弥京都大教授)は1日、内閣府から公益財団法人として認定されたと発表した。同日付で、再生医療用のiPS細胞(人工多能性幹細胞)の備蓄(ストック)事業を担う職員84人が京都大iPS細胞研究所(所長・山中教授)から移籍し、財団が本格的に始動した。財団は一般財団法人として2019年9月に設立。国の支援に頼らずiPS細胞を安価に提供し続けるため、税制優遇を受けられる公益財団法人化を目指していた。20年度の運営費は約18億円。企業のサポートにも力を入れる方針。22年度末には国の支援が打ち切られる見通しで、独自の寄付や収入でまかなえる体制確立を目指す。同研究所のiPS細胞研究基金(残高約180億円)から100億円を財団に移す。山中代表理事は「産業界への『橋渡し』を担ってきたメンバーが移籍し、研究開発に関する情報を集約・共有し、臨床応用の推進に貢献する」とコメントした。【松本光樹】

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