岩手県立中央病院の職員 抗体保有1000人中ゼロ


岩手県立中央病院(盛岡市)は22日、職員1000人に新型コロナウイルスの感染歴を調べる抗体検査を実施した結果、陽性者は確認できなかったと明らかにした。 対象は5月18〜29日に健康診断を受けた職員1302人のうち、承諾が得られた男性264人、女性736人。診断で余った血液を調べた。 政府が宮城など3都府県で行った方法と同様、精度の異なる2通りの検査の両方で陽性が出た場合のみを陽性とした。一つの手法では陽性者は4人(陽性率0.4%)、もう一方では0人だったため、抗体保有者はいないと判断した。 研究を率いた中村明浩災害医療部長(循環器)は抗体検査を実施した理由を「病院内は感染リスクが高い。世界で院内感染が起きる中、職員の状況を確認しようと考えた」と説明した。 検査結果について、5月時点で職員も市民も感染源との接触がほとんどなかったと分析。県境をまたいだ往来の解禁で接触機会が増えると予想されるため「対策を厳戒にする必要がある」と警鐘を鳴らした。 参考値として簡易検査キットでも調べたところ、陽性者は33人だった。中村部長は「今回は全員が偽陽性。感染していない人を見分ける手法としては不向きだ」と強調した。 循環器内科と臨床検査科の共同研究として6月中旬に実施した。

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