マイナンバー、運転免許証と一体化検討 学校健診結果管理も 作業部会初会合


菅義偉官房長官は23日、マイナンバーカードと運転免許証の一体化の検討を始めると表明した。マイナンバーカードの教育現場での活用や、自治体ごとに規格が異なるシステムの標準化も議論し、年内に具体策を盛り込んだ工程表を策定するという。首相官邸で開いたマイナンバー制度とデジタル基盤の改善を目指す作業部会の初会合で明らかにした。運転免許証は国民の保有率が7割超で、身分証としても活用されている。運転免許証との一体化を実現することで、マイナンバーカードの普及を一気に進める狙いがある。菅氏は会合で、一体化の対象として、運転免許証などのほか、国家資格証、在留カードを例示。「我が国の成長力、国際競争力を維持するため、マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤の抜本的な改善を図る」と述べた。2021年3月から健康保険証と一体化することは決まっている。政府は21年3月末までに6000万~7000万枚のマイナンバーカードの交付を想定しているが、今月21日現在の保有者は約2187万人、普及率は17・2%にとどまる。作業部会ではこのほか、教育現場でのマイナンバーカードの活用も想定。学校での児童・生徒の健康診断結果のデータをマイナンバーカードで管理することや、小中学生にパソコンやタブレットなどを配備する「GIGAスクール構想」でも、学習データをマイナンバーカードを使って保存することなども検討する。自治体システムの標準化は、自治体同士で連携が可能な税や住民基本台帳、児童手当などの業務を想定し、引っ越し時などの住民の利便性向上を目指す。新型コロナウイルス対策として一律10万円を配る「特別定額給付金」では、マイナンバーカードを使うオンライン申請で不具合が相次いだ。標準化でこうした問題の解消にもつなげる。【堀和彦】

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