軽症者受け入れ2000室 道内の宿泊施設が提供意向


軽症や無症状の新型コロナウイルス感染者の受け入れに関する道の意向調査で、複数の宿泊施設が計10棟、約2千室で受け入れ可能だと答えたことが分かった。道は感染拡大が続く札幌市内などで治療の優先度が高い重症・中等症患者の病床を確保することを重要課題としており、まずは軽症や無症状の患者の療養先として同市内で100室以上を備える施設1棟を賃借する見通しだ。道が10~13日に行った第1次の意向調査では、大手ホテルチェーンのアパグループ(東京)が札幌市内のホテル3棟計約千室で受け入れ可能だと答えた。ほかにも東京の大手チェーンが客室提供の意向を示しているもようだ。国の交付金などを活用し、施設提供者に費用負担は生じない。道内では現在、新型ウイルスの感染者を収容できる病床は約300床あり、道は症状にかかわらず全ての感染者を入院させている。ただ、4月8日以降は道内で患者確認が2桁に達する日が続き、3月下旬に40人前後だった入院患者は今月15日時点で3倍以上の135人となった。特に札幌市を中心とする石狩管内では感染者の増加が顕著で、管外の医療機関に入院する例も出ている。宿泊施設の確保は札幌市などで重症・中等症患者を収容できる病床が不足する事態を回避するのが狙いで、状況次第では軽症・無症状者を現在の入院先から宿泊施設に移し、新たな患者には最初から宿泊施設で療養してもらう。患者には客室から外に出ないよう求め、電話を通じて体温や健康状況を把握し、必要に応じて医師を派遣することを想定しており、重症化の兆候がみられる場合は医療機関に入院させる。道は宿泊施設の借り上げや、宿泊施設で患者を受け入れる場合の医師や看護師ら人材の確保などの費用を含む補正予算案を今月下旬にも開会する臨時道議会に提出する見通しだ。(高橋澄恵)

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