「尿で重症化予測」研究に協力へ 姫路市が検査、データ提供


兵庫県姫路市は18日、尿検査で新型コロナウイルスの重症化予測をする国立国際医療研究センター(東京)などの研究グループの臨床研究に協力すると発表した。尿中タンパク質の量で重症化リスクを判断できるといい、実用化すれば施設療養者や自宅待機者の素早い入院調整につなげられるという。同センターによると、尿中のタンパク質「L-FABP」は低酸素状態になると現れる。正常値より多いと、重症化リスクは通常の8倍程度に上昇するという。リモートで記者会見した同センターの野入英世(のいりえいせい)博士は「療養中は酸素消費が少ないため、呼吸苦症状が現れにくい」と指摘。「体の状態を早期に反映する腎臓から排出される尿を調べることで、高リスク患者を洗い出せる」と説明した。臨床研究の協力先を探していた野入博士らが、研究者のつながりで医師の清元秀泰市長に協力を依頼。500人分の検査キットを送り、早ければ来週にもクラスター(感染者集団)の発生した姫路市内の高齢者施設などで実施する。コロナの陽性判明から3日以内に市保健所が採尿し、同センターにデータを提供する。清元市長は「指先で血中酸素濃度を測る『パルスオキシメーター』より、早期かつ的確に重症化を予測できる。市として全面的に協力したい」と述べた。(井沢泰斗)【特集】目で見る兵庫県内の感染状況

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