糖尿病予防に保健師が助言 日本生命、市民向けプログラムの実証実験 8月にも募集


日本生命保険は28日、大阪府貝塚市と共同で、糖尿病になる可能性が高い市民を対象に、専門家が生活習慣の見直しを指導するサービス「糖尿病予防プログラム」の実証実験を行うと発表した。8月にも参加者の募集を始める。新型コロナウイルスの感染拡大で健康への関心が高まる中、糖尿病を予防し健康寿命を長くすることを呼びかけ、医療費の抑制と同時に、行政と組んだ有料サービスの提供につなげる狙いがある。すでに企業などと組んだ従業員向けは、6月にも有料サービスが始まる予定になっている。日生は将来的に、行政と組んだサービスなどと合わせ、1万人の利用を目指す。プログラムは参加者が血圧や体重、血糖値、歩数などのデータをインターネットに接続できる専用の機器を使って測定し、専用サイトに記録。データは毎日アップロードする食事写真とともに医師や保健師に共有される。利用者はデータをふまえ、保健師から「食事量を抑えてもっと歩くように」など、生活習慣を改善するための助言をテレビ電話やメールなどで受けられる。実証実験は約25人に3カ月程度、行う予定。貝塚市としては、市民の糖尿病予防など健康増進につながれば、医療費の公的負担の増加を抑えられる。一方、生保市場が頭打ちになる中は、日生は新たな収益源を増やすと同時に、蓄積したデータを、保険商品の開発につなげることも視野に入れる。日生が同様の試行を25の企業や貝塚市を含むいくつかの自治体の職員約千人に試行したところ、参加者の約7割が血糖値が下がる効果があった。今年度から4団体が有料でのサービスを受けることになった。

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