高齢者の低栄養化防ごう 磐田の県健康福祉センター


県内の六十五歳以上のお年寄りが低栄養傾向にあるとして、県西部健康福祉センター(磐田市)は、予防のためのリーフレットや、病院や老人福祉施設向けの資料を作った。担当者は「のみ込む力が弱る前から、食事に気をつけてもらいたい」としている。 (宮沢輝明)厚労省の基準では、体重(キログラム)を身長(メートル)で二度割った値(BMI)が20以下が低栄養。国や県の調査によると、県内は六十五歳以上の男女とも、低栄養の割合が国平均より高い。加齢によりかんだりのみ込んだりする力が衰えると、摂取エネルギーや栄養が不足。筋肉量が落ちて体の動きが悪くなり、足腰も弱り、入院や死亡のリスクが高まるという。センターでは昨年七〜十二月、管内の約七十の関係施設の管理栄養士や保健師、介護支援専門員らと三地区で延べ九回の会合を持ち、各施設の嚥下(えんげ)食の状況や、お年寄りが食に関して困っていることなどを話し合ってきた。とろみを付けたり食材を軟らかくしたりしてのみ込みやすいように工夫した嚥下食の呼び名が施設でまちまちで、入院や別の施設に移る際に、上手に引き継ぎができていないケースがあることが分かった。嚥下食の意味をお年寄りらにも理解してもらう必要性もあった。嚥下食のとろみの状態や軟らかさは、日本摂食・嚥下リハビリテーション学会により数種類に分類されている。センターでは、各施設で提供する嚥下食の形態を冊子にまとめた。お年寄りが別の施設に移っても、本人に合った嚥下食を食べられるように工夫した。自宅で食べることが難しくなったお年寄りにかかわる家族や介護現場のスタッフの手助けになるように、「食支援のためのQ&A集」も製作。食べたおかずの点数や体重を書き込み、栄養状態を自己管理してもうリーフレットも作った。いずれの資料もセンターのウェブページで公開している。担当者は「お年寄りに対する食事の支援が進めばうれしい」と話している。関連キーワード

静岡

関連記事

ページ上部へ戻る