新型コロナ 妊婦にPCR検査実施へ 県、希望者に無料で


新型コロナウイルス感染の有無を調べるPCR検査について、県は20日、無症状でも希望する妊婦が一人1回、無料で受けられるようにすると発表した。厚生労働省が不安解消に向けて都道府県などに求めており、8月開始を目指す。陽性判定を受けた妊婦には、退院後に助産師が自宅を訪問するなどして孤立感の解消に努める。
 里帰り出産を含め、県内の病院や助産所で出産を予定する妊婦が対象で、検査時期はおおむね妊娠35〜36週。希望者はかかりつけ医から説明を受けた上で申込書を出し、指定の場所で受ける。感染が疑われる人向けのPCR検査とは場所や時間を分ける。保健所を設置する長野市も、準備を進めている。
 PCR検査は、ウイルスに特徴的な遺伝子配列を専用の装置で繰り返しコピーして増幅し、検出。感染していないのに「陽性」と判定される場合もあり、その際は無症状でも感染症指定医療機関などに入院し、院内感染を防ぐため帝王切開を求められることもあり得るという。感染拡大を防ぐため他の感染者と同様、行動歴なども公表される。
 信州大医学部保健学科の金井誠教授(59)=県産婦人科医会会長=は各医療機関向けに、検査の長所や短所を記した説明資料を準備しており「検査を受けた方が不安を解消できるのか、検査を受けることで不安が増さないか、考えてほしい」としている。

(7月21日)

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