認知症予防で全国初の共同研究 丹波市と神戸大


兵庫県丹波市と神戸大は、市内の高齢者約200人に健康教室を長期間受けてもらい、認知機能の低下が抑えられるかを調べる全国初の共同研究を今秋にも始める。運動や栄養指導、生活習慣病の管理など、多様な要素を取り入れたプログラムで効果を検証。認知症予防の指針や手法の確立を目指す。(藤森恵一郎)認知症の早期発見や進行抑制などのサービスの創出に向け、経済産業省が行う実証事業の一環。従来の認知症予防の研究は運動や食事など個別に行われることが多く、複合的な研究への期待が高かった。国立長寿医療研究センター(愛知)が中心になり、兵庫、東京、神奈川、愛知の4カ所で各地の研究機関などが協力する。研究に先立ち、市は昨年度、健康に関する80項目の詳細なアンケートを65歳以上の高齢者に実施。有効回答のあった2280人のうち、高血圧や糖尿病などで認知症リスクの高い約千人の中から調査対象の200人を募る。18カ月間、同大の専門家から運動や栄養指導などを週1回受けてもらい、受講しなかった人と比較し、認知機能低下の抑制効果を明らかにする。東京などの研究結果も踏まえ、都市部と農村部で生活習慣などにどのような違いがあるかも分析する。丹波市が研究地域に選ばれたのは、昨年度から同大と認知症予防の教室を開いていることなどが評価されたため。同市は「認知症予防の先駆的モデル地区として注目されることを期待する」としている。

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