採血せず低血糖予防 センサーで糖尿病患者の負担軽減の新手法


糖尿病患者にセンサー型の血糖測定器の活用と適切な糖分摂取を促すことで、危険な低血糖症状を予防する手法を確立したと、京都医療センターや国立循環器病研究センター(吹田市、国循)、神戸大など国内19施設による研究チームが発表した。従来は欠かせなかった1日数回の採血が不要となり、「簡便な方法で不安なく健康な暮らしを実現できる」としている。論文は11月、国際糖尿病連合が刊行する糖尿病専門誌に掲載された。糖尿病は体内で血糖を下げるインスリンが作用せず、血中のブドウ糖が増えて高血糖が続く疾患。主に1型と2型があり、国内患者数が10万~14万人と推定される1型は、自己免疫疾患などが原因でインスリンの分泌細胞が壊れてしまう。注射によるインスリンの補充が必須だが、副作用で低血糖になりやすく、重症化すれば突然意識を失う恐れもある。低血糖対策として患者が指先から採血して血糖値を自己測定する方法が普及しているが、誤差が大きいなどの課題があり、予防には不十分だったという。そこで研究チームは、19施設の1型糖尿病患者に、センサーを皮膚に張り付けてブドウ糖濃度を測る「持続血糖測定器」を用い、血糖値の低下を示す矢印が表示された時にブドウ糖を錠剤などで摂取するよう指導。指先から採血する方法と比較する臨床研究を、2019年3月から約2年間実施した。93人分のデータから、測定器を使う方が低血糖の時間が1日あたり22%減少し、重症リスク患者の割合も64%減ることが判明したという。測定器は24時間持続して血糖値を測り、スマートフォンと連携できる機器もある。成果をまとめた京都医療センターの村田敬医長は「重症の低血糖は命にも関わる。低血糖予防教育を伴う測定器の使用が有効だと証明できた」と意義を強調。体質や生活習慣に起因し「国民病」と呼ばれるほど患者数が多い2型糖尿病に対しても「応用が期待でき、研究を続けたい」と語った。【千葉紀和】

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