新型肺炎で困窮なら相談を 生活福祉資金の特例スタート


新型肺炎の影響で仕事に影響が出ている人を対象とした、生活福祉資金による緊急小口資金貸付と総合支援資金の特例措置が3月25日から始まった。全国の市区町村の社会福祉協議会では受け付けを開始。社協の窓口が開く前から行列ができた社協もあったという。生活福祉資金貸付制度は、低所得者などの生活を経済的に支えるために無利子または低利子で資金を貸す制度。資金の使途によって、貸付限度額や償還期限が異なる。実施主体は都道府県社協で、市区町村社協が窓口を担う。今回の特例では、予備費として311億円を計上。休業した人は緊急小口資金、失業した人は総合支援資金の生活支援費で対応する方針だ。いずれも特例措置で貸付対象に「新型肺炎の影響」を追加し、収入が減少した程度は問わないという。また保証は不要で、無利子。ただ、総合支援資金は困窮者自立支援法による継続的な支援を受けることが要件となる。緊急小口資金については、上限は10万円とこれまでと変わらないが、学校の臨時休校の影響を受けた人や個人事業主などの場合は20万円に増額する。返済を開始する据置期間は2カ月から1年以内に延長。償還期限も1年から2年以内に延ばす。一方、総合支援資金の生活支援費は、貸付上限はこれまでと同様、2人以上の世帯なら月20万円、単身世帯なら月15万円とする。期間は原則として3カ月以内。返済を開始する据置期間は6カ月から1年以内に延長。償還期限は変わらず10年以内とする。いずれも特例では、償還時に所得減少が続く住民税非課税世帯の場合、免除となる。東京都の八王子市社会福祉協議会では始業前から多くの人が並んで相談に訪れ、終日対応に追われた。貸し付け業務の詳細な事務手続きの内容などが、厚生労働省から東京都社協を通じて示されたのは、貸し付け開始の前日午後で、わずか半日での準備は大変だったという。初日は朝から貸し付け相談の電話が鳴りっぱなしの状態で、窓口対応には他のセクションからの応援も受けた。25日の相談件数は約40件。緊急小口資金の申請は13件で、ほとんどが満額の20万円を希望したという。貸し付けにあたっては、本人確認書類や預金通帳などを精査した上で、返済についても丁寧に説明している。窓口に訪れた人の中には「返済しなくてもよい」など、間違った情報での相談も多く、対応に苦慮したという。 松重香・同社協主査は「新型肺炎の影響は切実で、窓口に来られるのは必死に今を乗り越えようと頑張っている人たち。きめ細やかに対応することで、生活の立て直しに役立ててもらえれば」と話した。The post 新型肺炎で困窮なら相談を 生活福祉資金の特例スタート appeared first on 福祉新聞.

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