京都大iPS細胞研究所長の山中伸弥教授が28日までに共同通信のインタビューに応じ「新型コロナウイルスの感染拡大が非常に心配。iPS細胞も対策に貢献できると思う」と話した。ウイルスの専門家らにiPS細胞からつくった人間の肺の細胞を提供し、感染実験を通じて性質解明や治療薬の開発に生かしてほしいとした。現在の研究にはサルなど動物の細胞や実験用の人間のがん細胞を使っているが、山中教授は「やはり実際にウイルスが入り込む細胞を使うのが大切ではないか」と指摘。細胞に入り、内部で増殖して外に出て行く仕組みのほか、軽症で済む人と重症化する人の違いを明らかにすることが可能になると推測した。米サンフランシスコにも研究拠点を持つ山中教授は現地の混乱に危機感を募らせる一方、日本も「自粛疲れ」から感染爆発につながることも懸念。「感染症の専門家ではないが、正しい情報を分かりやすく一般に発信したい」と、個人のウェブサイト「山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信」を開設した。