コロナ対策で聴診器もデジタル化 アクリル板越しに非接触で診察


新型コロナウイルスの感染拡大の終息が見通せない中、医療現場では最新の音響テクノロジーを使ったデジタル聴診器の活用が進んでいる。愛知県豊田市の豊田地域医療センターの発熱外来では5月、近距離無線通信(ブルートゥース)の機能を内蔵したデジタル聴診器を導入した。アクリル板で仕切られた診察室では、患者自身がデジタル聴診器を胸に当て、医師はアクリル板越しにヘッドホンで心音や呼吸音を聞く。患者は医師の指導の下、酸素飽和度や体温なども自ら計測。医師は患者と接触することなく問診から診察までを完結する。総合診療科在宅部門長の近藤敬太医師(30)は「デジタル聴診器を採用してからは感染防護具を使わないで済んでいる。アクリル板越しのため感染の可能性がなく、医療者の心理的安全性が保たれることが最も大きい」と話す。同センターでは今後、在宅診療などにもデジタル聴診器を活用し、医師や看護師を補助する遠隔診療への応用を目指すという。【兵藤公治】

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