歯の神経細胞を凍結保存 世界初、歯の再生治療実用化でバンク事業 アエラスバイオ


産業ガス大手エア・ウォーターの医療子会社アエラスバイオ(神戸市中央区)は2日、歯の神経組織「歯髄」の幹細胞を、再生医療用に長期凍結保管するバンク事業を始めた。同社は6月、歯髄幹細胞を用いた再生医療を世界で初めて実用化。虫歯の悪化などで神経が失われた歯に、患者本人の親知らずから採取した幹細胞を注入し、かむ感覚などを戻す。提携する歯科医院「RD歯科クリニック」(同)ですでに治療を行っている。バンク事業は、乳歯が抜けた際や親知らずを抜く際に幹細胞を採取、保管しておき、将来の歯の不調に備える。同社の専用施設で採取や培養を行い、マイナス150度以下で冷凍保管する。技術的には半永久的に可能といい、10年ごとに契約更新する。費用は最初の10年間は30万円(税別)、その後は10年ごとに6万円(同)。同社は、2023年度に歯髄再生医療の提携歯科医院を全国300カ所に拡大させる計画で、セミナーなどの普及活動に注力。バンク事業と再生医療で同年度に売上高10億円程度を目指す。(横田良平)

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