東北大、遺伝子構造解析システムを開放 コロナ研究に


東北大学は新型コロナウイルスの治療法や診断法の開発を支援する。加齢医学研究所が開発した遺伝子構造解析システムを初めて無償で開放。新型コロナ感染者の血液などから遺伝子構造を解析し、抗体を特定する。効果的な治療薬のほか、ワクチンの効果判定など精度の高い診断法の開発につなげてもらう。製薬会社や研究機関、病院などを対象に申し込みを受け付け、学内審査を経て2021年4月まで支援する方針だ。加齢医学研究所は免疫の遺伝子解析では世界で有数の精度を持つ。今回、利用を認める独自の遺伝子構造解析システムは約2年前に開発し、がん研究などに利用してきた。抗体を特定した後も解析システムを利用することで、重症者と軽症者の抗体の違いや量などを分析できるという。その結果、遺伝子構造から重症化しやすいかどうかを判断するキットの開発も可能になるとみている。解析システムを使ったこれまでの研究では、1週間程度で抗体の候補を絞り込み、検証実験を経て約6週間で抗体を特定してきた。加齢医学研究所の小笠原康悦教授は「新型コロナでも抗体を特定することで、より効果的な新薬開発などができる」としている。抗体を高い精度で特定し、それに基づき検証実験ができるのは同研究所のみという。

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