キョーリン、PCR検査の前処理自動化 装置開発へ


子会社の杏林製薬は高速処理が特徴の新型PCR装置「ジーンソック」を19年11月から販売している。20年4月に発売した専用試薬により、15分程度で新型コロナウイルスの感染を判定できるようになった。一方で前処理は一般的なPCRと同じ手順で約30分かかる。試薬を移し替えたり不純物を取り除いたりするなど手間が必要だ。開発を進める前処理装置では全工程を自動化する。作業員の手間を大幅に減らし、その時間を他の作業にあてることができる。前処理装置による時間の短縮幅は現時点では未定。ジーンソック向けの装置だが、他のメーカーのPCR装置にも応用可能という。ジーンソックの小型版の開発を進めていることも明らかにした。キョーリン製薬HDの荻原豊社長は「PCR検査は大型の研究施設などに集中している。クリニックなどでも使えるよう、持ち運べてベッドサイドで使えるサイズのものを提供したい」と話す。小型版のジーンソックも前処理装置と同様に20年度内の発売を目指す。開発スピードを重視して、いずれもまず研究用として発売する予定。今後さらに広がるとみられるPCR検査の需要増加や現場の負担軽減に応える方針だ。

関連記事

ページ上部へ戻る