SMCラボラトリーズが、肝癌新規治療薬の開発に利用できる肝癌腫瘍免疫モデル「STAM(TM)-HCC/IO+マウス」を発表


【東京2024年2月7日PR Newswire=共同通信JBN】Metabolic dysfunction associated steatohepatitis(MASH)、炎症、線維症、代謝、免疫に関する技術やノウハウを活用した薬効薬理試験のコンサルティングや受託サービスを提供している非臨床医薬品開発業務受託機関(CRO)SMCラボラトリーズ株式会社(「SMCラボラトリーズ」)はこのほど、新たな肝癌治療薬開発のための、腫瘍免疫学の分野では初となる革新的なSTAM™-HCC/IO+マウスを用いた非臨床サービスを開始しました。同社は肝臓関連サービスにフォーカスし、これまでSTAM™マウスを使って15を超える作用機序(MOA)カテゴリーの被験物質と270を超える標的分子を評価してきました。
 
STAM™-HCC/IO+マウスは、肝臓を発生母地とする複数の標的病変の発育を一定期間で安定的に評価できるモデルです。さらに、安定した薬効評価を行いつつ、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬、その他の治療ターゲットの試験にも利用することができます。Immuno-oncologyに基づく免疫療法薬の市場は年々拡大しており、Stroma modifying agent、Adoptive cell therapy、tumor targeting antibody、immunogenic cell death inducer、metabolism inhibitor、immune effector cell modulatorなど、さまざまな腫瘍免疫療法に関する薬が開発されています。肝癌罹患率が高まる中、SMCラボラトリーズのSTAM™-HCC/IO+マウスが今後、肝癌治療薬の開発に大きく貢献することが期待されています。
 
肝癌は、世界で4番目に多いタイプの癌です(Huang DQ et al, Nature Reviews Gastroenterology & Hepatology, 18, 223-238, 2021)。非ウイルス関連癌の中でMASHや非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)型の占める割合も、年々増加しています。肝癌の治療薬としては、レンバチニブ、ソラフェニブなどの分子標的薬に加え、最近ではアテゾリズマブ+ベバシズマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブといった免疫チェックポイント阻害薬(ICI)も臨床現場で使用されています。そのため、さらなる開発が大いに期待されています(Chen C et al, frontiers in Immunology, 14, 1133308, 2023)。しかしながら、肝癌に対する免疫チェックポイント阻害剤の奏効率は、他の癌種(例えば、メラノーマの奏効率は35-70%)に比べ、0-14%と未だ低いため、新たな治療法の開発が強く求められています(Tan S et al, JACC: CardioOncology, 4, 579-597, 2022, Valero C et al, JAMA Oncology, 7, 1245-1246, 2021)。こうした情報や腫瘍免疫学分野で最近明らかになった新事実により、SMCラボラトリーズは、STAM™-HCC/IO+マウスの特性をうまく活用し、免疫チェックポイント阻害剤を含む新たな肝癌治療薬開発のための非臨床薬効薬理サービスの提供を実現しました。
 
同社の研究を通じて、STAM™-HCC/IO+マウスモデルには以下のような特性があり、腫瘍遺伝子変異量が高いことが明らかになっています。
 
*細胞傷害性T細胞(CD8陽性T細胞)の浸潤細胞数および局在などの評価が可能
 
*免疫チェックポイント阻害剤の抗腫瘍効果を評価することが可能
 
*標的病変の腫瘍径和の最大変化率をCTにより算出し、腫瘍発育阻害の評価ができる
 
*腫瘍微小環境およびそれを形成する免疫細胞や因子(immunosuppressive cells、免疫調節サイトカイン/シグナル伝達、代謝異常、腸内細菌叢)を標的にした評価が可能
 
これらの特性は、非臨床試験で腫瘍免疫制御をベースとする治療法の評価に極めて有用で、これらの特性を全て備えているSTAM™-HCC/IO+マウスは、現在のところ腫瘍免疫学の研究においては最も適した非臨床肝癌モデルであるとも報告されています(Shalapour S et al, Nature, 551, 340-345, 2017, Dow M et al, PNAS, 115, E9879-E9888, 2018)。免疫チェックポイント阻害剤のmonotherapy試験はもちろん、combination試験での抗腫瘍効果の評価も可能であり、その抗腫瘍効果を現時点で臨床にて使用されている抗PD-L1抗体を一つの対照として直接比較することができます。
 
▽SMCラボラトリーズについて
 
SMCラボラトリーズは、医薬品の開発プロセスに必要な非臨床試験を行う受託試験事業を主力とするCROです。顧客の要望に沿った試験をデザインするコンサルティング型のグローバル企業として、最先端の非臨床薬効評価試験をサポートしています。同社は、世界に先駆けて開発した画期的なMASLD (metabolic dysfunction associated steatotic liver disease)由来の肝癌動物モデル「STAM™マウス」を中心に、各臓器の炎症・線維化モデルマウスを数多く取りそろえ、それら疾患モデルマウスを使用した非臨床試験を提供しています。詳しくはウェブサイトをご覧ください。SMCラボラトリーズ 株式会社(NASH-HCC・肝臓・糖尿病・癌などの非臨床試験) (smccro-lab.com)
 
【本サービスに関するお問合せ先】
 
SMCラボラトリーズ 株式会社 https://www.smccro-lab.com/jp/
 
橋口 太志(生命科学博士):t.hashiguchi@smccro-lab.com  もしくは、 info@smccro-lab.com
 
▽メディア問い合わせ先
 
上野 未祐:m.ueno@smccro-lab.com
 
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