新型コロナウイルスを40分で検出 ゲノム編集技術活用


米カリフォルニア大学サンフランシスコ校などの研究チームは、鼻や喉のぬぐい液から抽出した新型コロナウイルスを40分ほどで検出する技術を開発し、米科学誌「ネイチャー・バイオテクノロジー」で公表した。遺伝情報を自在に操るゲノム編集技術を応用する。従来のPCR検査で2時間ほどかかる工程が、30~40分で済むとしている。研究チームは、ゲノム編集技術を応用し、ウイルスがもつRNAからDNAを増幅させる既存の方法と組み合わせた。新型コロナウイルスの感染者36人と、他のウイルス性呼吸器感染症の患者42人の検体で精度を確かめた。米疾病対策センターが使用している「RT-PCR法」の判定結果と比べると、陽性例は95%、陰性例は100%一致した。特別な装置がいらないため、普及しやすい検査法になる可能性があるという。同大バークレー校の研究者らが2012年に開発したゲノム編集技術「クリスパー・キャス9」の類似技術を応用。ウイルスがもつ配列の一部を認識するガイドRNAとはさみ役の酵素、検出用のDNA断片を使う。目的の領域を見つけるとはさみ役がDNAを切断し、この変化を手掛かりに判定できる。

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