ワクチン接種 キャンセルで無駄防げ 玉村で「もったいないバンク」登録を開始


新型コロナウイルスワクチンの接種開始を前に、貴重なワクチンをキャンセルで無駄にしないようにするため、玉村町は19日、キャンセル時の接種希望者をあらかじめ登録する「コロナワクチンもったいないバンク(ワクチン接種協力者バンク)」の受け付けを開始した。本年度で65歳以上になる対象者約220人が町役場を訪れ、申込書を提出した。 町は、町内や伊勢崎市内の医療機関で予約して接種を行う「個別接種」を採用する。ワクチンは1瓶当たり5人に接種できるが、開封から6時間以上経過した場合は廃棄せざるを得ないため、突然のキャンセルがあると無駄になる恐れがある。これを防ぐため、キャンセルによって余剰となったワクチンの接種を希望する人に、事前に登録してもらうことにした。 町では早ければ5月中旬から、85歳以上を対象に順次接種を始める。キャンセルが出た場合はバンク登録者に電話連絡して接種してもらう。 この日は、開庁の午前8時半前から複数の希望者が町役場前に集まり、午前だけで約150人が登録。町担当者から趣旨などの説明を受け、申込用紙を提出した岩木かつ子さん(71)=同町角渕=は「早めに接種できる可能性があるし、貴重なワクチンの有効利用に協力したいと思った」と話した。 感染防止のため、屋外にも記載台を設け、密を避けて手続きをできるようにした。町は「想定以上の人が趣旨に賛同し、登録してもらえて大変ありがたい」としている。 同様に個別接種を予定する伊勢崎市も16日に、キャンセルが発生した場合は、キャンセル待ちの接種希望者に電話連絡し、代わりの希望者を探すよう、各医療機関に協力を求める文書を送付したという。(土屋麻里)◎渋川は県に要望しシステム改良 LINEと電話の申し込み上限設定 新型コロナウイルスのワクチン接種予約が開始早々に定員に達して混乱を招いたことを踏まえ、渋川市は19日、受け付けの際に混乱を回避するため県に要望したLINE(ライン)予約システムが、希望通りに改良されたと明らかにした。併せて5月に行う2度目の予約受け付けに向けて、混乱回避策を検討していると説明した。 市は4、5の両月に75歳以上の約1万4500人を対象に接種をするため、15日に先着800人の定員で予約を受け付けた。しかし開始から20分ほどで定員に達し、その後数時間、電話がつながりにくい混乱が起こった。 予約を巡り、市はコールセンターでの電話と、県のラインシステムの双方で受け付けたが、電話が長時間にわたってつながりにくい状況となったため、結果としてラインでの申し込みが8割ほどを占め、大きく偏ったという。 市は予約管理にも県のラインシステムを活用し、電話で受けた予約もラインに反映させていた。改善にはラインでの申し込みと、電話で申し込んだ場合のそれぞれに上限を設定できる仕組みが必要と判断。16日に要望書を県に提出したところ、19日までにシステムが改良されたという。 併せて、市は県に対し、ワクチン供給や、1瓶当たり6人に接種できる注射筒の確保について、見通しを早急に示すことなども求めている。 市は2度目の予約受け付けに向けて混乱を避けるため、抽選の導入や、予約の電話回線と苦情の回線を分けるといった対策を検討しているという。高木勉市長は「医師会と協力してしっかりした接種体制を整えたい」としている。(奥木秀幸)

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