群馬大大学院理工学府の行木信一准教授の研究グループは、酵母やカビといった「真菌」が持つ、抗生物質に対する耐性の仕組みの一つを新たに発見したと発表した。細胞の活動が低下して人体にさまざまな影響を及ぼす指定難病「ミトコンドリア病」の一部病態について、発症メカニズムの解明などにつながる可能性があるという。 実験は出芽酵母を用いて行った。酵母細胞のミトコンドリア内でタンパク質を合成する「リボソーム」に対し、抗生物質を投与してその機能を人為的に阻害。その際、「Pth3タンパク質」と呼ばれるタンパク質が、抗生物質による阻害を解消することを世界で初めて示した。(村岡瑞基)