子どもホスピス、今秋横浜に 2月に催しも 神奈川


がんなどの重い病気や重度障害がある子どもたちに、家族とゆっくり過ごしてもらう「子どもホスピス」が、横浜市で今秋開設される見通しになった。すでに建設工事やスタッフの研修も始まっている。2月には、子どもホスピスの役割を発信するフォーラムも開かれる。一連の取り組みは、認定NPO法人「横浜こどもホスピスプロジェクト」(田川尚登代表理事)による。子どもホスピスは11月にオープンする予定。名称は「うみとそらのおうち」に決まった。横浜市金沢区の海にほど近い、横浜市立大男子学生寮跡地の市有地で工事が進む。市が土地の30年無償貸し付けと人件費の一部の補助(500万円を5年間)で支援する。施設は2階建てで、1階は病気の子どもと家族のふれ合いの場にするとともに地域にも開放する。2階は子どもと家族が滞在する個室3部屋と、海や川を見渡せる風呂。この風呂は、家族らのアンケートをもとに設置を決めたという。障害のある子どもが移動して入浴できるリフトも設ける。開設時のスタッフとなる看護師や保育士の研修は、同様の子どもホスピスがある大阪の施設で今月開始。当事者や家族へのケア方法などについて共有していくという。田川代表理事は1998年2月、6歳だった次女はるかさんを悪性脳腫瘍で亡くした。来月でそれから23年。「いよいよここまで来た。これからは医療機関に加えて、在宅している病気の子どもと家族に対応する訪問看護ステーションなどにも周知を図り、使ってもらえるよう働きかけたい」としている。◇同プロジェクトは2月14日、3回目となる「世界こどもホスピスフォーラム」を横浜市内で開く。子どもホスピスは滞在施設であると同時に、終末期にある子どもを抱えて悲しむ親をケアする施設でもある。こうした「グリーフケア」について考えるのが狙いだ。英独と大阪で先駆的に開設された子どもホスピスの関係者からオンラインで報告してもらうほか、パネルディスカッションと質疑応答を行う。フォーラムは午後5時45分~同8時45分の予定。はまぎんホールヴィアマーレ(横浜市西区)が会場だがオンライン参加も出来る。参加費千円(オンラインの場合は手数料として209円追加)。事前の参加申し込みが必要。問い合わせは同プロジェクト(045・274・8686)へ。(岩堀滋)

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