不安解消へ、心強い一冊 医療的ケア児と家族向け、県がガイドブック作製


県障がい福祉課によると、医療技術の進歩などを背景に小児医療の救命率が向上する一方、日々の生活で胃ろうやたんの吸引などが必要となる医療的ケア児が増えているという。市町村への聞き取りでは、2019年5月現在で県内に136人の医療的ケア児がいる。

 県は18年度、県内で医療的ケア児がいる家庭を対象にアンケートを実施。その際、「支援策に関する情報が分からない」「さまざまな施策が家庭に届かない」との声が複数あった。こうした要望を受け、県は家庭で活用できるガイドブック作りに取り組み、6月に完成した。

 ガイドブックは全65ページで、図や写真を多用した点が特徴。障害種別ごとの主な支援内容では肢体不自由や聴覚、視覚、知的のそれぞれの障害で必要となる医療や教育、就労支援などを図式化した。

 障害者手帳をもらう手続きや医療制度の申請方法など、日常生活を安心して送るために必要な情報を多く盛り込んだ。災害や緊急時に備えるケア用品はお薬手帳や紙おむつ、医療用ミルクなどのチェックリストを記載。新型コロナウイルス感染症への対応は手洗いや手指消毒、マスクなど防護用具の徹底を呼び掛けているほか、体調の変化を丁寧に観察し早期発見、早期対応を求めている。

 さらに医療的ケア児の就学までの流れについても紹介。就学先を検討する際には▽子どもが持つ力を十分に伸ばすことができる学びの場▽必要とする教育環境や体制の整備―を総合的に判断する重要性を指摘している。

 県が山形大医学部小児科学講座や県看護協会、支援団体などの協力を受けて作った。ガイドブックは県のホームページからダウンロードできる。
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