山形市消防がアイソレーター導入 コロナ患者移送に使用


山形市消防本部は新型コロナウイルス患者を運ぶ際に使用する陰圧式隔離型搬送資機材「アイソレーター」を導入し、運用を開始した。県内では初の導入で、患者からの感染拡大防止を図り、救急隊員のほか移送先の医療機関側のストレス緩和にもつなげる。アイソレーターはビニール製のカプセル。内部に患者を収容し、ストレッチャーに乗せて運ぶ。空気の入れ替えやウイルスが外に出るのを防ぐために内部の気圧を外部より低く調整する装置、排気する際にウイルスを吸着するフィルターなどを備える。ゴム手袋付きの挿入口が14カ所あり、患者を収容した後の処置もできる。長さ216センチ、幅71センチ、高さ47センチ。新型コロナの陽性が確認された患者は通常、保健所が患者の自宅や一般の医療機関から感染症指定医療機関などに移送する。同本部は緊急性が高い場合や患者の増加で保健所だけでは対応が難しい場合、保健所からの協力要請を受けて救急車で運ぶことを申し合わせており、アイソレーターはこうした際に活用される。同本部では東、西の両消防署に1セットずつ配備した。購入費は計約280万円。国の緊急消防援助隊設備整備補助金を活用した。22日に運用を始め、23日には実際に使用して入院待機中だった患者1人を移送したという。24日は報道向けに救急隊員が操作を実演した。同本部救急救命課の西村将輝課長補佐は「消防の業務を継続させるためにも感染防止対策は重要。(アイソレーターを活用して)安全に配慮した移送を行う」と話した。>>山形新聞トップ >>県内ニュース >> 社会

関連記事

ページ上部へ戻る