尿1滴でがんのリスク判定 大阪に線虫を利用した検査拠点開設


医療ベンチャーのHIROTSUバイオサイエンス(東京)は18日、尿からがんのリスクを調べる「線虫がん検査」の受け付け拠点を大阪市北区に開設した。体長約1ミリの線虫ががん患者の尿の臭いに反応する特性を生かした検査で、尿1滴で判定できる。簡単さや精度の高さから、がんの早期発見につながることが期待されている。東京、福岡に続く3カ所目の拠点。これまでの研究で、線虫は胃がんや大腸がん、肺がんなど15種類のがんに反応することが分かっており、判定精度は86・3%という。申し込み後に自宅へ届く検体キットで尿を採取し、拠点に提出。東京都や愛媛県の検査センターに送られ、約6週間で結果が分かる。料金は1万500円(税別)。同社は「手軽で安価に検査でき、医療機関でのがん検査の入り口にしてほしい」としている。同社の広津崇亮社長は平成27年、患者の尿からがんの有無を見分ける技術を論文として発表。28年に同社を立ち上げ、第一生命保険などの出資を受けている。検査は同社の拠点のほか、提携する病院でも受けられる。同社は新たな拠点の開設や、自宅まで引き取りに行くサービスも検討している。

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