<独自>iPS血小板 5年に実用化へ 年内に治験で輸血 京都のベンチャー


他人由来の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から血小板を作り、血液の病気の患者に血液製剤として輸血する再生医療ベンチャー「メガカリオン」(京都市)の臨床研究(治験)の計画が26日、医薬品医療機器総合機構(PMDA)から承認された。年内にも初の輸血を行い、令和5年の製品化を目指す。対象は、血液の成分で止血作用を担う血小板が減少し、出血が止まりにくくなるなどした血小板減少症の患者10人。京都大のiPS細胞研究財団が作成、備蓄しているiPS細胞から作った血小板を、血液製剤として輸血する。同社と連携している京大の江藤浩之教授らの研究チームは令和元年、血小板輸血不応症を起こした再生不良性貧血患者自身の血液からiPS細胞を作り、血小板に分化させて輸血し患者に戻す臨床研究を実施。安全性の確認に取り組んだ。患者自身に由来する血小板のため拒絶反応はないが、iPS細胞を作ったり血小板に分化させたりするのに時間がかかり、費用もかさむ。そのためメガカリオンは今回、既製品である備蓄iPS細胞を使い時間を短縮。安全性だけでなく有効性も確認し、製品化を狙う。

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