コロナで業務増大…離職看護師にSOS 福岡57人復帰、掘り起こ…


 新型コロナウイルスの感染拡大で新たな業務が増えている医療現場の人材不足を補おうと、福岡県看護協会(福岡市)は、資格を持ちながら現場を離れている潜在看護職の復職を呼び掛けている。県内では4月以降、11月上旬までに延べ57人が復職。今後の流行を見据え、掘り起こしを進める。

 看護職を巡っては、働きたい人と採用したい医療機関などを結ぶ求職・求人サイト「eナースセンター」が全国の看護協会によって運営されている。さらに2015年以降、仕事に就いていないが免許を持つ看護師や保健師などについては、都道府県の委託で各看護協会が運営する「ナースセンター」に届け出る制度ができた。

 日本看護協会は4月、これらの情報から復職依頼メールを約5万人に送信。全国だと約1860人(10月21日時点)が復職。内訳を見ると、軽症者向けの宿泊療養施設が48%と最多で、相談を受け付けるコールセンター25%、保健所・PCRセンターが20%と続き、コロナ拡大で生じた行政業務を主に担っている。

 福岡県看護協会も別途、4月と7月に千人を超える対象者にメールを送信したところ、約220人から手が上がり、条件が合った57人が復帰。感染管理認定の看護師を講師に、復職前に新型コロナの対応策を伝える「スキルギャップ研修会」も開いている。

 同県看護協会の掛川秋美常任理事は「新型コロナに感染した医療従事者への差別も見られた中で、使命感を持って復職してくれる仲間を誇りに思っている。センターへの登録や復職を、引き続き呼び掛けていきたい」としている。県看護協会「ナースセンター」=092(631)1221。 (竹次稔)

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