コロナ検査、車で素早く 福岡市が「出張PCRセンター」、11月稼働


 福岡市は29日、新型コロナウイルスの感染が広がる施設や地域に出向いて検体を採取する車両型の「出張PCRセンター」を11月中旬から稼働すると発表した。クラスター(感染者集団)が発生した場合、保健所職員が施設を訪れたり、濃厚接触者自身が市内4カ所のPCRセンターへ行ったりしていたが、迅速な検査態勢を整えることで感染拡大を食い止める狙い。

 感染拡大が懸念される場合に市の判断で車両を動かす。医師や看護師は車両内部からアクリル板越しに検体を採り、感染リスクを減らす。検体は市保健環境研究所で検査し、およそ1日後に結果が判明する。

 市によると、発症から検査結果判明までの日数が短縮され、濃厚接触者の該当範囲を広くしたことなどから、人口10万人当たりの検査数は政令市最多の4064件(20日現在)。高島宗一郎市長は29日の定例記者会見で、第2波は「収束した」との認識を示し、冬季を前に「発症直後に感染拡大を防ぐ意味は大きい。集中的に検査し(感染の)連鎖を止めたい」と述べた。

 出張PCRセンターは市医師会に約1千万円で委託する。同様の取り組みは東京都医師会や千葉県鎌ケ谷市医師会などが実施しているという。

(横田理美)

関連記事

ページ上部へ戻る