新潟市、集団がん検診数3割弱 4~7月 感染懸念の影響も


新潟市の集団がん検診の4~7月までの受診者数が、前年同期の3割弱にとどまったことが15日、分かった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴って検診を中止したことに加え、市民が感染を懸念して受診を控えたことも一因とみられる。市によると、がん検診では毎年800~900人の患者が見つかっており、受診が遅れるとがんの進行や重症化が危ぶまれる。市は早期受診を呼び掛けている。 市が集団検診を行っているのは肺がんと胃がん、乳がんの三つ。新型ウイルスの感染拡大のため、胃がん、肺がん検診は4~6月、乳がん検診は4、5月まで中止した。 この影響で肺がん検診は前年4~7月に2万3678人だったのに対し、今年は5492人と76・8%減。胃がん検診は前年同期4552人に対し、89%減の499人と大幅に減少した。乳がん検診は5258人に対して、2696人と半減した=グラフ参照=。 市は受診者が減少した状況について中止した期間があったことに加え、新型ウイルスへの感染への心配があったとみている。 市では集団検診の再開に当たり、新型ウイルスの感染対策を実施している。これまで予約不要だった肺がん、胃がん検診を予約制にして会場内の「密」を避け、利用した機器などの消毒を徹底。利用者にもマスクの着用などを求めている。 また、集団検診以外にも大腸がんや前立腺がん、子宮頸(けい)がん検診を医療機関などの施設で行っているが、いずれのがん検診でも受診率が下がっているという。 市健康増進課は「がんは早期発見することで早い社会復帰につながる。今年の検診を見送ることで、進行がんになるかもしれない。会場で感染対策を行っているので、早めの受診をしてほしい」と話した。

関連記事

ページ上部へ戻る