認知症関連相談5割増 外出自粛も影響? 「体動かし、人と話して」


長野市の地域包括支援センターなどに寄せられた6、7月の相談のうち、「親の物忘れが増えた」といった認知症関連は計907件あり、前年同期(計607件)の1・5倍に増えたことが15日、市への取材で分かった。市は、新型コロナウイルスの感染拡大で外出の機会が減り、認知機能が低下している人がいることを懸念。予防のため、体を動かしたり人と話したりする機会を意識して持つよう、改めて呼び掛けている。
 市地域包括ケア推進課によると、市内の包括支援センター20カ所、在宅介護支援センター6カ所に寄せられた介護や福祉などさまざまな相談を集計したところ、6月は前年比634件増の3836件、7月は520件増の3822件だった。このうち認知症関連は6月が182件増の480件、7月が118件増の427件。8月分は集計中という。
 同課は、相談の増加が新型コロナの影響による認知機能の変化かは「判断できない」としつつ、4、5月の緊急事態宣言後に増えたことに着目。外出自粛などの影響で認知症の人の4割に認知機能の低下がみられた―とする広島大などの調査もあり、花立勝広課長は「(相談数の増加は)見過ごせない多さ」と危機感を抱く。
 市は、筋肉が減り要介護の前段階となる「フレイル(虚弱)」の予防に力を入れており、4月にお年寄り向けにチラシを配布した。2〜3人で距離を取りながらの散歩、人と直接会えない分は電話で会話―といった活動を続けるよう提案し、段差の上り下りや積極的な家事で体を動かすことも呼び掛けてきた。
 市は18日まで、市役所の市民交流スペースで認知症の理解を深めるパネル展を開催。17日には認知症サポーター養成講座を予定し、若干名の参加者を募っている。問い合わせは、市役所にある市中部地域包括支援センター(電話026・224・7174)へ。

(9月16日)

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