新型コロナワクチン 塩野義製薬、治験入り 国内製薬大手で初


新型コロナウイルスに対するワクチンの実用化を目指す塩野義製薬は16日、同ワクチンを人に投与する治験を始めたと発表した。治験の対象は国内の健康な成人200人で、同日午前、1人目に投与した。国内の製薬大手による新型コロナワクチンの治験は初めて。この日、同社が開始した第1、2相試験では、偽薬を用いながらワクチンの安全性と効果を確かめる。来年2月末ごろから集まるという結果を受けて、ワクチンの製造承認を行う当局と協議しながら治験の最終段階である、第3相試験の実施について検討し、実用化を目指す。塩野義は、遺伝子組み換えたんぱくワクチンの開発を国立感染症研究所(感染研)などと進めている。これまでの実験では重症化予防効果を確認できているという。また、同社は治験と並行して、ワクチンの製造を委託したバイオ医薬品製造会社「UNIGEN(ユニジェン)」(岐阜県池田町)の工場内で、生産ラインの整備を進めている。来年末までに3千万人分以上のワクチンを生産できる設備が整える計画だ。国内のワクチン開発ではすでに製薬ベンチャーのアンジェスが、治験に着手。今月までに偽薬を用いてワクチンの安全性、有効性を確かめる第2、3相の試験にこぎつけている。このほか、mRNAワクチンの開発を進める第一三共は来年3月に、不活化ワクチンを開発するKMバイオロジクスは年明けにも治験を開始する方針だ。

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