<新型コロナ>佐賀県、検査態勢を強化 行政検査以外の受け皿目指す病院も


新型コロナウイルスの感染確認が続く中、佐賀県が医療機関への検査委託を進め、態勢を強化している。インフルエンザの流行期に備え、発熱などの症状がある人が新型コロナかインフルか検査で判別できるような態勢を整え、病院のスムーズな受け入れにもつなげる。県の検査とは別に、風邪の症状に不安を感じる人や、仕事で証明書が必要な人を対象に検査をする医療機関も出てきている。感染を調べる方法は、患者から採取したたんなど、検体中にあるウイルスの遺伝子を増幅して検出する「PCR検査」がある。佐賀市の県衛生薬業センターで実施し、1日に約200件を調べる能力がある。他にもPCR検査と同様に遺伝子を増幅して調べる「LAMP法」や、ウイルスの特徴的なタンパク質から特定する「抗原検査」がある。PCR検査よりやや精度が落ちるものの、結果が出る時間を最大約120分短縮できる利点がある。県は従来、県内の医療機関に設けた「帰国者・接触者外来」で採取した検体を衛生薬業センターに送り、陽性か陰性か判別してきた。現在、検体を採取する外来19カ所のうち7カ所に検査を委託しており、年内には全ての外来で検査できるようにする。冬にインフルが流行し、病院が新型コロナとの判別に惑わないように、検査能力を備えた医療機関を増やし、地域で対応できるようにする。県の検査は「行政検査」と呼ばれ、陽性患者と接触した人や感染拡大地域への移動歴がある人など、感染が疑われる背景がないと受けることができない。軽い風邪の症状が出て心配な人や、海外出張のために検査証明書が必要な人は受けられない状況があった。これを受け、独自に検査に取り組む医療機関も出てきている。佐賀市の佐賀記念病院も17日から予約制で1日10人限定のPCR検査を始めた。内田康文理事長は「検査を受けたくても受けられなかった人たちの受け皿になりたい」と話す。同院の検査の問い合わせ先は電話0952(31)7771。(藤本拓希)

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