舌がんを口内炎と診断、病院転送せず歯科医院の過失認定 死亡した女性の遺族勝訴


京都府宇治市の60代女性が舌がんで死亡したのは、受診した歯科医院が病気に気付かず、早期に別の医療機関へ転送しなかったのが原因として、遺族が同市の歯科医院に対して2千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、京都地裁(久留島群一裁判長)は25日までに、歯科医院の過失を認めて300万円の支払いを命じた。判決は24日付。判決によると、女性は舌の異常を訴えて2013年1月に歯科医院を受診し、口内炎と診断された。3月まで治療を続けたが改善せず、その後、別の病院で舌がんと診断されて手術を受けた。しかし、肺に転移するなどして12月に亡くなった。
 久留島裁判長は判決理由で、舌の異常が長期間続き、治療に効果が見られなかったことから、歯科医院は重い病気の可能性を認識できたと指摘。別の医療機関に転送する義務を負っていたと認定した。義務違反と死亡の因果関係は認められないとしたものの、早い段階で適切な治療を受けていれば、もっと長く生きられた可能性があったとした。

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