浜松市MaaS実験採択、国事業に 中山間地での移動診療車、EVタクシー


経済産業省と国土交通省は3日までに、次世代交通サービス「MaaS(マース)」推進事業として浜松市が提案した2事業を採択したと発表した。いずれも同市天竜区の中山間地での実証実験で、テーマは「移動診療車によるオンライン診療」と「再生可能エネルギーを使った電気自動車(EV)タクシー運行」。年度内にそれぞれ実験を進める。
 経産省に採択された移動診療車の実験は、同区春野町で11、12月の実施を目指す。車での通院が困難な高齢者宅に看護師らが移動診療車で訪問。情報通信技術(ICT)機器を活用して診療所医師が遠隔診療する。ドラッグストアの薬剤師も服薬を指導し、薬剤をドローンなどで配送。実験を通じて運用面や採算性を検証する。
 国から市が委託を受け、次世代型移動サービス企業モネ・テクノロジーズ(東京)や磐周医師会、地元診療所などが協力。経費は市に交付され、9月補正予算案に事業費を計上した上で実施する。
 一方、国交省が採択したのは同区佐久間町のNPO法人がんばらまいか佐久間が過疎地域交通として運行するタクシーに、EVを導入する実験。太陽光発電による充電システムも含め9~12月に試行する。
 両省のMaaS推進事業には静岡、湖西市や伊豆半島(美しい伊豆創造センターなど)の事業も採択された。

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