製薬業の国内MR、6年連続減少 デジタル化で削減も


公益財団法人のMR認定センター(東京・中央)は2日、2019年度末時点の国内の医薬情報担当者(MR)が前年同期比4.6%減の5万7158人だったと発表した。6年連続の減少。医師がネット経由で医薬情報を集められるようになるなどMRの役割が見直されており、製薬会社で人員の適正化が進んでいる。足元の新型コロナウイルス禍に伴う働き方の変化で、さらなる削減につながる可能性もある。国内製薬会社などのアンケートで200社の回答を得て、20年版の「MR白書」として公表した。3月末時点のMRは13年度の6万5752人をピークとして減り、19年度は18年度より2742人少なくなった。国内製薬が5.6%減の3万3463人、外資製薬が5.1%減の1万9711人などとなった。製薬各社はデジタル技術によって情報提供の手段が増えたほか、専門性の高い医薬品の登場で他社との競合が減ったことなどで、MRの業務や体制見直しを進める。日本イーライリリーは20年に営業組織の再編を実施するとともに、早期退職を実施すると明らかにしている。アステラス製薬はMRを含む早期退職を18年度に募ったほか、20年4月には業務効率化のために全国12カ所の支店を廃止し、本部が各地の営業所を管轄する体制にした。足元の新型コロナ禍では感染拡大防止のために病院からMRの訪問自粛要請があり、テレビ電話などを使った情報提供が広がる。1人のMRでカバーできるエリアが広がるなど、デジタル化で業務を効率よくできる面もあり、今後さらに人員削減が進むとの見方もある。

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