人工呼吸器の部品、3Dプリンターで製作…電気なくても使用可


広島大などの研究チームは27日、動力を必要としない人工呼吸器の部品を開発したと発表した。3Dプリンターで製作でき、新型コロナウイルスの感染拡大で人工呼吸器が不足している海外を含め、医療現場での実用化を目指す。開発した部品は、気道に通す管と酸素ボンベの間に取り付け、内部にあるらせん状のバネの力を利用して患者の呼吸を補助する機能を持つ。電気が使えない状況でも使用可能で、3Dプリンターを使えば8時間前後で、樹脂製の部品を作ることができるという。チームは、製作に必要なデータの無償提供を計画している。チームの石北直之・新潟病院医療機器イノベーション室長が2017年に開発し、改良を重ねてきた。現在、イタリアなどでは人工呼吸器の不足が深刻化しており、海外の医療従事者から問い合わせが相次いでいるという。今後、医療機器としての認証手続きを国内外で開始する。チームの中心となる広島大の木阪智彦准教授(循環器内科)は「早期の実用化を目指し、この未曽有の問題に我々の技術を生かしたい」と話していた。

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