東京都医師会(東京都千代田区)は7月16日、在宅療養者の新型コロナウイルス感染症対策について取りまとめた資料を公開した。PCR検査で陽性となった場合でも在宅療養を希望した場合、どのような点に配慮すべきかが記されている。7月15日付の資料では、在宅療養患者がPCR検査で陽性となった後、在宅療養を継続する場合の留意事項、事前指示や医療・介護サービスの利用頻度などを書き込む個別対応票、感染ごみの捨て方などが取りまとめられている。陽性者の在宅療養継続については、「食事や排泄管理、保清を担う感染症対策に詳しい訪問看護師を専属配置し、日に2回ほど特別指示下の医療保険での訪問看護、介護保険の定期巡回サービスでの訪問看護を、十分防護と換気に留意した上で提供する」、訪問診療時は、「ACPを尊重しつつ、電話やオンライン対応等訪問の代替法などを駆使し、訪問頻度を最小限とする」ことなどが記されている。なお資料では、陽性者は原則入院であり、在宅療養の継続は保健所との相談の上で、「独居あるいは家族と本人を完全分離できる場合以外は、現状在宅療養の継続は容易ではないという理解が前提」であることが強調されている。また、付随する個別対応票は、人工呼吸、ECMO(人工心肺)、気管切開、延命治療全般の実施の可否を含めた事前指示を記載する欄が設けられており、在宅療養患者の望む医療を提供できるように配慮がなされている。現在、東京都医師会のHPにて公開されており、感染症や制度の動向を踏まえて、順次内容の更新を行っていく予定だ。