球磨村唯一の診療所、被災者の頼りに 2日後には薬処方 山越え往診も


九州豪雨から4日で1カ月、甚大な被害を受けた熊本県球磨村は村民の約1割の400人余りがなお避難所生活を続ける。村唯一の診療所である「球磨村診療所」(同村一勝地)の医師、橋口治さん(69)は疲弊する避難者らの健康状態を見守り続けている。自らも被災しながら、柔らかい笑顔で接し被災者の心も癒やす。「カルテを入れていた1階の棚は一部だけ浸水し、薬棚も運良くきれいに残っていた」。7月4日明け方、診療所併設の宿舎から外を見ると辺りは川のようになり、隣の崖は崩れていた。診療所の玄関が破られ土石や流木が流れ込んでいた。診察室は鍵をかけていたが泥水で1メートルほどつかり、医療機器もだめになった。カルテと薬を運び出し、宿舎の2階に持って上がり守った。村からの要請でカルテなどを基に避難者らの薬を6日から処方した。心臓病や血圧などの薬は特に欠かせない。15日ごろまでに約…

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