東京で抗体検査始まる、無作為抽出の都民3000人対象


東京都は1日、新型コロナウイルスの抗体の有無を調べる検査を始めた。厚生労働省が全国1万人規模で行う調査の一環で、都内では6日までに板橋、豊島、練馬区の住民を各1千人、計3千人程度を調べる。結果は6月下旬以降に通知する。ほかに宮城県で1日から、大阪府で3日から同様の検査を行う。都は20歳以上の住民を対象に、年齢・性別ごとに無作為抽出で協力者を選び、郵送で連絡。1~6日に各区に設けた会場で血液10ミリリットルを採取する。費用はかからない。1日午前、板橋区の検査会場が報道陣に公開された。医師、看護師ら約20人が、1時間ごとに50人程度を検査する。感染防止対策として、スタッフはフェースシールドや手袋を着用。会場内を換気し、席の間の距離もできるだけ確保した。対象者は採血の前に手指の消毒と検温を実施、1日あたりの外出時間や2月以降の発熱の有無などを問診票に記入する。検査を受託した結核予防会総合健診推進センターの中西好子・副所長は「どれぐらい実際に感染しているのか、私たちも分からない。感染実態を知るということは今後の施策に役立つと考えている」と話した。新型コロナに感染した人の体内には免疫の働きによって抗体ができる。抗体検査は少量の血液を採取して抗体の存在や量を調べ、感染の有無を判断する。厚労省は全国的に抗体検査を実施し、正確な感染状況の把握を進める。

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