信大「周産期のこころの医学講座」 諸機関と連携


信州大医学部(松本市)精神医学教室は2日、同学部で記者会見を開き、1日付で開設した妊産婦や産後の母親らの心をケアする診療チーム「周産期のこころの医学講座」の業務方針を説明した。さまざまな機関と連携し、うつ病などの精神疾患を発症した母親らの適切な治療や家族の支援につなげる。5月上旬にも信大病院(同)の患者を対象に専門外来を設け、態勢を整えながら院外の患者の受け入れも順次進める。同教室の鷲塚伸介教授によると、妊娠後の体や生活環境の変化、育児のストレスにより、うつ病や統合失調症の再発や病状悪化につながるケースがある。患者が症状に気付かず、重症化を招く懸念もあるという。今後、松本地域の助産師やソーシャルワーカーらでつくる支援ネットワークと連携し、患者の関係者が適切な治療やケアにつなげられる態勢を目指す。講座では、須坂市などで妊産婦支援システムを構築した実績がある国立成育医療研究センター(東京)こころの診療部の立花良之医師(46)、精神医学教室の村上寛医師(36)が研究や診療に当たる。5月29日に初のオンライン講座を開き、支援が必要な市民への情報発信を図る。村上医師は「新型コロナウイルスの影響で妊産婦の精神疾患のリスクは増している。適切な治療に結び付けてもらえるように、支援態勢を発信したい」としている。

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