医工連携で教育現場向けフェースシールド開発 鳥取大医学部


新型コロナウイルス感染予防のため、鳥取大医学部付属病院(米子市西町)が県内企業との医工連携で、教育現場向けの紙製フェースシールドを開発した。4月に発売した医療現場向けに続く第2弾で、おもに英会話や音楽など発声が伴う授業の飛沫(ひまつ)防止対策で活用を見込む。小学校での装着試験を経て製品化した。県内商社などを通じて販売の全国展開を目指す。開発したのは同病院新規医療研究推進センターの藤井政至助教(33)と、同大発ベンチャー企業のメディビート(米子市)、包装資材販売などのサンパック(倉吉市)、ヤママスデザイン(同)の3社。藤井助教らは医療物資不足が深刻化した今春、感染患者を受け入れた都内の病院からのSOSを受けて2週間の短期で医療用シールドを開発し、これまでに50万枚を販売する反響があった。医療機関以外での利用も多く、特にニーズが高かった教育現場向けに子ども用を開発した。製品名は「ORIGAMI(オリガミ)jr(ジュニア)」。コートボール紙の枠に薄いポリプロピレンフィルムを張った軽量で、頭囲52~58センチに対応。おもに5~12歳の幼児、児童用に水色など3色を用意する。1枚150円で、清潔に保てば複数回使えるという。装着試験に協力した鳥取大付属小学校(鳥取市)の児童の意見を聞いて、着け心地や組み立て方を改良。教師からは「マスクに比べ児童の表情がよく確認できる」と好評だった。考案した藤井助教は「児童たちも格好いいと言ってくれた。感染予防しながら楽しく授業を受けてもらいたい」とし、サンパックの森和美会長(73)も「医療や学校現場の役に立てれば満足」と話す。鳥取県内ではホームセンターなどでの販売も予定する。問い合わせはメディビート、電話0859(36)6161。

関連記事

ページ上部へ戻る