長期使用可能なECMOを重症コロナに 国循開発、10病院で臨床研究


国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)は8日、新型コロナウイルスに感染し重い呼吸不全になった患者に対し、長期使用を可能にした新型の人工心肺装置「ECMO(エクモ)」で救命率を向上させられるかどうか調べる臨床研究を今月中旬に始めると発表した。東京と大阪の10病院で計50人に実施する。エクモは、血液を管で体外に引き出し、肺の代わりに酸素を供給して体に戻す装置。現行の製品は6時間以内の使用を条件に国が承認しているが、新型コロナ治療では回路を交換しながら12日以上使うケースが半数に及ぶ。交換は患者の体の負担が大きく、医療従事者に感染リスクも生じる。新たな装置は耐久性の高いガス交換用の膜を使い、管などには血栓ができにくいコーティングも施して連続使用できる時間を延長。同じ主要部品を使い小型化した装置は、ヤギの実験で血栓をほとんど作らず約1カ月使うことができ、心不全などを対象に、製品化を目指した治験が進行している。

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