「司法の場で正当性主張」 小野薬品社長、本庶氏と対立


小野薬品工業は18日、大阪市で定時株主総会を開いた。がん免疫治療薬「オプジーボ」の特許を共同で取得した本庶佑京都大特別教授が、約226億円の特許収入の支払いを求めて同社を提訴すると表明したことに関し、相良暁社長は「契約に基づき適切に支払っている。司法の場で当社の正当性を堂々と主張していく」と説明した。株主からは和解を求める声も上がった。本庶氏は、オプジーボの開発につながる研究が認められ、2018年にノーベル医学生理学賞を受賞した。その一方で小野薬品と対立し、特許収入配分の引き上げを求めていた。相良氏は総会で「オプジーボの開発は当時どの製薬会社も断っていた状況下で、当社が大きなリスクを取った。(本庶氏の主張には)残念ながら事実でないことも含まれている」とも述べた。総会に出席した50代の男性株主は「対立が長引けばブランドイメージが悪化し、株価の低迷につながりかねない」と懸念を示した。製薬会社に勤める男性株主(59)は「和解の道を模索してほしい」と訴えた。小野薬品は今回、新型コロナウイルス感染拡大防止のため人数制限を設けて総会を実施。前年より433人少ない120人の株主が出席した。

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