認知症予防ワクチン、京大などが開発 動物実験で効果


京都大学などの研究チームは25日、アルツハイマー病の原因とされる物質が脳内にたまるのを防ぐワクチンを開発したと発表した。認知症になる動物を使った実験で、脳の変化や行動の異常を抑えられた。将来、認知症の予防や治療の選択肢になる可能性がある。認知症の中には、アルツハイマー病のように、脳内に「タウ」というたんぱく質の異常な蓄積がみられる種類がある。チームによると、国内に約300万人の患者がいる。症状を改善する薬はあるが、根本的に治す方法はないのが現状だ。チームは免疫のしくみを使った認知症ワクチンを考案。無害なウイルスにタウを作らせる遺伝子を組み込んでワクチンを作り、認知症になるマウスに鼻から投与した。すると、タウに反応して除去する「抗体」が何もしない場合と比べ、2倍以上に増えた。免疫を活性化させたとみられる。ワクチンを投与したマウスでは、認知症で脳が萎縮する面積を、無投与のマウスと比べて3分の2程度に抑えることができ、健康なマウスに近い行動をとるようになった。マウスを飼育した8カ月間では、副作用はみられなかった。チームの井上治久・京大教授は…

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