将棋AIで創薬支援 東京の企業が受託開発


人工知能(AI)開発のスタートアップ企業、トラストスミス(東京・文京)は、将棋の勝ち筋を発見するAIを応用し、製薬会社向けに創薬支援システムの販売を始めた。東京大学大学院の研究者が開発したAIを基に、同社が創薬現場に合わせて受託開発する。新薬を発見するために必要な作業を絞り込み、製薬会社が効率的に創薬できるようにする。システムは、過去の研究や知見からあらゆる化学反応をAIが想定して、化合物の合成など新薬やジェネリック薬にたどり着くための手順を網羅的に洗い出し、創薬につながる可能性を評価する。製薬会社は、可能性の高い順に試すことで、創薬担当者の勘や経験に頼ってきた創薬作業を効率的に進められるという。活用するAIは、囲碁や将棋のコンピューター対戦機能にも生かされており、膨大な候補の中から最適な一手を導き出す仕組みを創薬に生かすという。システムの受託開発の料金は利用人数によっても変わるが、1社あたり5千万円程度を見込む。トラストスミスは2019年設立。東大の学生らも所属しているという。

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