患者の容体「ライト」で確認 広前大と平川の企業開発


弘前大学と電気機器の開発製造を手がける光城精工(青森県平川市)が、看護師の両手をふさがず、患者の容体を把握しやすい光色の「夜間巡視ライト」を開発した。看護師らの要望を採り入れたLEDライトで、開発グループは「介護現場はもちろん災害現場でも活躍できる」と期待している。ライトは長さ86ミリ、約30グラムの充電式。ハワイ語で夜明けを意味する「アオ」と、青森発の製品化の経緯を踏まえて「A.O.Light(アオライト)」と名づけた。開発は、「患者の肌にライトをあてると白く反射し、顔色や皮膚の色がわかりにくい」という看護師の悩みの声がきっかけ。弘前大大学院の富沢登志子教授の提案で2年前に開発を始め、特殊な光源を調達し、太陽光とほぼ同じで、患者がまぶしくない優しい光の完成に同社と看護の研究者、付属病院の看護師が試行錯誤したという。発光部の向きを調節可能で、胸ポケットに差して手元を照らせる。価格は3千円(税別)で、来月20日に全国で発売される。県庁で29日、三村申吾知事に製品化を報告した富沢教授は「患者の睡眠を妨げず観察できる」と医療現場の評価を紹介。光城精工の芳賀克之社長は「全国の看護師さんに使って欲しい」と話した。(林義則)

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