明治ホールディングス傘下でワクチン製造のKMバイオロジクスは22日、開発中の新型コロナウイルス向けワクチンの臨床試験(治験)を始めたと発表した。国産ワクチンの治験は4例目で、まず初期段階の治験として国内の210人を対象に安全性と有効性を確かめる。同社の既存のプラットフォームを活用し、6カ月で3500万回分を生産する体制を2021年度内に整える方針だ。KMバイオがこのたび始めた第1/2相の治験は、国内の20歳以上の健康な成人210人が対象。同社のワクチンを2回接種した場合の安全性と有効性を検証する。良好な結果が確認されれば、年内にも数万人規模の最終治験に移る考えだ。KMバイオが開発する「不活化ワクチン」はインフルエンザワクチンなどで広く普及している手法で、弱毒化したウイルスを用いて免疫を誘導する。同社が手掛けている日本脳炎ワクチンの製造プラットフォームを活用し、6カ月で3500万回分を生産する体制を21年度内に整える方針だ。国産ワクチンの治験については、第一三共も22日に治験を始めたと発表したほか、アンジェスと塩野義製薬の治験も進行中で、KMバイオは4例目となる。変異型への対応や中長期的な流行を見据え、各社は国産技術の確立を急ぐ。