選別した血漿投与へ コロナで国立国際医療研究センター


国立国際医療研究センターは26日、新型コロナウイルス感染症から回復した人の血液成分である「血漿(けっしょう)」を集め、より治療効果が期待できるものを選んで患者に投与する臨床研究を早ければ2月にも始めると発表した。回復者の血漿には抗体が含まれており、ウイルスを攻撃する作用が期待できるとして、同センターでは昨年10月から先行研究でコロナ患者の治療に試みてきた。満屋裕明研究所長は採血した抗体の能力にばらつきが出る可能性があり、体外でコロナに感染させた実験用の細胞を用いて、事前に良質のものを選ぶべきだと考えた。今回の臨床研究では血漿をコロナ患者100人に投与して、投与しない100人と比較する予定。いずれのグループも国が承認している抗ウイルス薬レムデシビルの使用など既存の治療は行う。他の医療機関とも協力して進める。回復者血漿は米国などで広く使われている。投与しても患者の状態や死亡率に差が出なかったとの研究報告もあり、評価はまだ定まっていない。〔共同〕

関連記事

ページ上部へ戻る