クリアファイルで新型コロナ防護具 阪大と東大阪のメーカー生産で協力


東大阪市菱江のプラスチック部品メーカー「甲子化学工業」(南原在夏社長)が、大阪大が開発した新型コロナウイルス対策の簡易防護具の生産体制を整えた。同社の南原徹也・企画開発主任は「緊急事態の対応に、私たちも役に立てないかと新製品の開発を進めていたところだった。阪大の防護具への協力は、ゴーサインをもらえばすぐに始められる」と意欲を燃やしている。阪大の中島清一特任教授(消化器外科学)らのチームが3日、文房具のクリアファイルを使い、飛沫(ひまつ)から顔を守る医療関係者用の防護具を作成したと発表。医療機器開発で阪大と提携する東大阪市に生産での協力要請があり、市が地元企業に呼びかけ、同社などが応じた。この防護具は、クリアファイルに独自のフレームを取り付け、顔面を覆う仕組み。軽症者が自宅療養となった場合などでも手軽に使える。同社によると、3Dプリンターでは1台で1日に20個ほどしか作れないが、金型を用いて工業生産すれば日産数千個が可能。工業生産用に必要な改良なども既に終えた。また3Dプリンターで50個を先行生産し、医療機関等から要請があれば提供する考えだ。問い合わせは甲子化学工業(072・962・6012)。同社では、引き戸の手すりに手のひらを触れずに開閉できる器具なども独自に開発している。南原社長は「中小企業なので資金が十分ではないが、お役にたてれば」と話している。【戸田栄】

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