コロナ患者の重症化マーカー発見 国際医療研究センター


国立国際医療研究センターは24日、新型コロナウイルスに感染した患者が重症化するかどうかを予測する血液中の物質「血中マーカー」を見つけたと発表した。新型コロナは患者の8割は軽症のまま回復する一方、2割は中等症や重症になる。重症化しそうな人の早期発見、治療に役立つ可能性があるという。センターでは28人の感染者の血清と症状の経過を分析した。重症になる人は、感染初期から血液中の「CCL17」というたんぱく質の濃度が下がっていた。また、重症化の数日前には「IFN―λ(ラムダ)3」など4種類のたんぱく質の濃度が上がっていた。この二つの系統の血中マーカーを組み合わせて重症化する患者を早期に発見できれば、適切な治療につなげることができる。同センターの杉山真也・ゲノム医科学プロジェクト副プロジェクト長は「重症者の早期発見は患者本人と医療体制の双方にメリットがある。今後、精度を高めて実用化に取り組みたい」としている。論文は国際医学誌Gene電子版(https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0378111920308143)に掲載された。(三上元)

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