小麦アレルギーの男児に小麦粉入り蒸しパン誤提供 一時集中治療室に 兵庫県立こども病院


兵庫県は23日、県立こども病院(神戸市中央区)で、入院中だった小麦アレルギーがある6歳未満の男児に誤って小麦粉入りの蒸しパンを提供し、男児の血圧が低下する医療事故があった、と発表した。男児は一時集中治療室(ICU)で、昇圧剤の投与などの治療を受けた。現在は回復し、退院したという。県病院局によると、男児は急性心筋炎で入院。7月16日にアレルギー除去のおやつとしてゼリーを提供する予定だったが、委託業者が指示を見落とし、蒸しパンに男児の名前を書いたシールを貼って納入。病院の栄養士と看護師は、シールが貼ってあったことなどから除去食と思い込み、男児に提供したという。男児は約2時間後に血圧低下のほか、全身のかゆみや腹痛などの症状を訴えたため、血圧管理のためICUで治療を受けた。2日後に一般病棟に移り、7月31日に退院した。病院側は、すでに男児の家族に謝罪している。栄養士や看護師らは処分しない。再発防止策として、委託業者に複数でのチェックを求め、また栄養士や管理士は納入時などに業者と口頭で、対応が必要な患者の情報などを確認し合う。(藤井伸哉)

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